現在考えると、きっといろんなタイミング、シチュエーション、
雰囲気が重なって、発した言葉だと思います。
けど、それが当時の自分の想いの全てっだったし、
後先を考えたら言えなかったでしょうけど、本気で言った言葉でした。
ここからなら、世界中どこにでも飛べると
本当に考えていました。
涙を溢れさせながら微笑んでいた彼女に
「どの便に乗るかを選ぼう」と言い、手を繋いだまま
フライト便を知らせる大きなパネルの前まで行くと、
ちょうど僕が乗る予定の便がアナウンスされているところでした。
僕の表情を見た彼女が「本気なの?」と。
「出来ないことを口にしたら、それは罪でしょ」と
僕の目を真直ぐに見ながら言いました。
"出来ないこと"だったのかどうかは、解りません。
現実的に考えて、難しいことだったでしょうけど
不可能なことでは無かったでしょう。
僕が乗る予定の便の搭乗開始の時刻が近づいていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
雰囲気が重なって、発した言葉だと思います。
けど、それが当時の自分の想いの全てっだったし、
後先を考えたら言えなかったでしょうけど、本気で言った言葉でした。
ここからなら、世界中どこにでも飛べると
本当に考えていました。
涙を溢れさせながら微笑んでいた彼女に
「どの便に乗るかを選ぼう」と言い、手を繋いだまま
フライト便を知らせる大きなパネルの前まで行くと、
ちょうど僕が乗る予定の便がアナウンスされているところでした。
僕の表情を見た彼女が「本気なの?」と。
「出来ないことを口にしたら、それは罪でしょ」と
僕の目を真直ぐに見ながら言いました。
"出来ないこと"だったのかどうかは、解りません。
現実的に考えて、難しいことだったでしょうけど
不可能なことでは無かったでしょう。
僕が乗る予定の便の搭乗開始の時刻が近づいていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
「このまま、どこかへ行こう。
パスポートはいつも持ってるんだろ?
仕事も、国も、家族も捨てていいから、二人で暮らそう。
1年間ぐらいなら暮らせるだけの蓄えは有るから
その間にどこかで仕事を見つければいい。
ここで起きた10日間の出来事は、二人の真実で、
もう離れなきゃならない理由は無いだろ?
その理由が国だったり、仕事なら、僕は君を選ぶ。
何処かへ、今ここから二人で出よう」
繋いだ手を握ったまま言葉にならず、彼女を見つめていると、
感情が溢れ出して、そんなことが咄嗟に口に出ていました。
彼女の瞳に涙が溢れ、頬をつたってテーブルに落ちて。
「どこに連れてってくれるの?」
涙をこぼして微笑みながら、彼女が言いました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
パスポートはいつも持ってるんだろ?
仕事も、国も、家族も捨てていいから、二人で暮らそう。
1年間ぐらいなら暮らせるだけの蓄えは有るから
その間にどこかで仕事を見つければいい。
ここで起きた10日間の出来事は、二人の真実で、
もう離れなきゃならない理由は無いだろ?
その理由が国だったり、仕事なら、僕は君を選ぶ。
何処かへ、今ここから二人で出よう」
繋いだ手を握ったまま言葉にならず、彼女を見つめていると、
感情が溢れ出して、そんなことが咄嗟に口に出ていました。
彼女の瞳に涙が溢れ、頬をつたってテーブルに落ちて。
「どこに連れてってくれるの?」
涙をこぼして微笑みながら、彼女が言いました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
チケットの手続きを終らせ、搭乗開始までにあと1時間ほど、
空港内のカフェでコーヒーを飲みながら過ごす事に。
またお互いに、言葉少なになってしまい
黙ったまま、空港内を行き交う人々を眺めていたかな。
フライト便の予定を知らせる大きなパネルの文字が、次々と変化していき
この場所が世界中に繋がっていることを意識していましたよ。
ヨーロッパの主要都市の空港。
夕方、多くの人々が流れる時間帯に
どこか取り残された二人。
あと数十分も経てば、お互いに別の暮らしに戻ることも、
多分、もう会えないかもしれないことも
二人とも解っていたんでしょうね。
お互いにテーブルの上で手を繋いで。
もう何も、言えず
彼女の瞳も、僕も、
お互いを見つめていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
空港内のカフェでコーヒーを飲みながら過ごす事に。
またお互いに、言葉少なになってしまい
黙ったまま、空港内を行き交う人々を眺めていたかな。
フライト便の予定を知らせる大きなパネルの文字が、次々と変化していき
この場所が世界中に繋がっていることを意識していましたよ。
ヨーロッパの主要都市の空港。
夕方、多くの人々が流れる時間帯に
どこか取り残された二人。
あと数十分も経てば、お互いに別の暮らしに戻ることも、
多分、もう会えないかもしれないことも
二人とも解っていたんでしょうね。
お互いにテーブルの上で手を繋いで。
もう何も、言えず
彼女の瞳も、僕も、
お互いを見つめていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
帰国の朝、前夜にお互いの今後を語り合っていたのですが、
二人ともそれまでの朝とは違う空気を感じていたと思います。
もうキッチンで二人が寄り添うこともなく、交わす言葉も少なくて。
お互いが、今夜からどうなってしまうのか
もう理解していたのだと思います。
昼過ぎに彼女のアパートを出て、ヒースロー空港への電車に乗ると
それまでお互いに黙っていたのですが、
急に彼女が表情も明るく、僕に話し掛けてきました。
年が明けて、日本に帰ったら"カニ"を食べに連れて行ってほしい、
ズコク楽しい10日間だったなぁ、などと言いながら、
二人が何をしていたのかを思い出して
嬉しそうに話してくれました。
彼女は、大人でした。
きっとこのままの雰囲気で空港に行ってしまうと、
最後に"また"哀しい思いで離れなきゃならないと考えたのでしょう。
空港に着き、チケットカウンターへ搭乗手続きに行く時に
「乗ってから読んでね」と、
封筒を彼女が渡してきました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
二人ともそれまでの朝とは違う空気を感じていたと思います。
もうキッチンで二人が寄り添うこともなく、交わす言葉も少なくて。
お互いが、今夜からどうなってしまうのか
もう理解していたのだと思います。
昼過ぎに彼女のアパートを出て、ヒースロー空港への電車に乗ると
それまでお互いに黙っていたのですが、
急に彼女が表情も明るく、僕に話し掛けてきました。
年が明けて、日本に帰ったら"カニ"を食べに連れて行ってほしい、
ズコク楽しい10日間だったなぁ、などと言いながら、
二人が何をしていたのかを思い出して
嬉しそうに話してくれました。
彼女は、大人でした。
きっとこのままの雰囲気で空港に行ってしまうと、
最後に"また"哀しい思いで離れなきゃならないと考えたのでしょう。
空港に着き、チケットカウンターへ搭乗手続きに行く時に
「乗ってから読んでね」と、
封筒を彼女が渡してきました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
帰国する2日前の夜、初日と同じイタリアンで食事をして
目的もなくブラブラと散歩しながら過ごしていました。
石畳で出来た舗道を歩いていると、ふと彼女が
「あさって、帰っちゃうんだね」と。
二人の間に、会話が途絶えてしまいました。
お互いに解っていたのだと思います。
現在の、この関係は
きっと今だけのものだと。
アパートに帰るために、いつもの赤いダブル・デッカーに乗り込み、
彼女は僕の肩に寄り掛かるようにして眠っています。
首を傾けると、彼女の髪を頬で感じて、
僕は外の動く景色を見ながら、考えていました。
こんな関係に戻れることを、期待していた訳でも無かったし
どちらかと云えば、「戻りたくない」と考えていました。
離れてしまった恋が、二度と元の様になれないのなら、
彼女を想っていても、気持ちは隠していたいと。
けど、いまこの瞬間に彼女は隣で眠っていて
僕と一緒にバスに乗り、同じ場所に帰ろうとしている。
帰ったら、またコーヒーを飲み、多分お互いを抱き締めながら
一緒に眠って、朝を迎えるんだろう。
ただ明後日になって僕が日本に帰れば、お互いにまた日常が始まって、
二人の心が離れていた3年間と同じ毎日が戻ってくる。
それはもう、続きの無い儚い現実なのだと。
帰りのバスの車内。隣で彼女は眠っています。
二人で過ごしたロンドンでの出来事を思い返すと
彼女と、そしてもう戻れないこの数日間が愛しくて。
ただ、避けられない現実に
堪らない寂しさを感じていました。
窓の外は、街路樹を渡して飾り付けられた
ネオンロープが薄暗く灯っていました。
あの時の感情、情景、漂う空気感は
多分忘れられないと思います。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
目的もなくブラブラと散歩しながら過ごしていました。
石畳で出来た舗道を歩いていると、ふと彼女が
「あさって、帰っちゃうんだね」と。
二人の間に、会話が途絶えてしまいました。
お互いに解っていたのだと思います。
現在の、この関係は
きっと今だけのものだと。
アパートに帰るために、いつもの赤いダブル・デッカーに乗り込み、
彼女は僕の肩に寄り掛かるようにして眠っています。
首を傾けると、彼女の髪を頬で感じて、
僕は外の動く景色を見ながら、考えていました。
こんな関係に戻れることを、期待していた訳でも無かったし
どちらかと云えば、「戻りたくない」と考えていました。
離れてしまった恋が、二度と元の様になれないのなら、
彼女を想っていても、気持ちは隠していたいと。
けど、いまこの瞬間に彼女は隣で眠っていて
僕と一緒にバスに乗り、同じ場所に帰ろうとしている。
帰ったら、またコーヒーを飲み、多分お互いを抱き締めながら
一緒に眠って、朝を迎えるんだろう。
ただ明後日になって僕が日本に帰れば、お互いにまた日常が始まって、
二人の心が離れていた3年間と同じ毎日が戻ってくる。
それはもう、続きの無い儚い現実なのだと。
帰りのバスの車内。隣で彼女は眠っています。
二人で過ごしたロンドンでの出来事を思い返すと
彼女と、そしてもう戻れないこの数日間が愛しくて。
ただ、避けられない現実に
堪らない寂しさを感じていました。
窓の外は、街路樹を渡して飾り付けられた
ネオンロープが薄暗く灯っていました。
あの時の感情、情景、漂う空気感は
多分忘れられないと思います。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
6〜7日経ったある日に、こんな事がありました。
これは別にどうってコトのないエピソードなんですが、
現在になって考えると、その後
二人の心が少し揺れることになるキッカケは
この時の出来事だったのかもしれません。
その日は、早朝から"Angel"という名の駅まで電車に乗って、
その近くで行われているガレージ・セールへと出掛けていました。
イギリス国内でも有名な蚤の市で、通りには溢れるほど店が出ています。
彼女はアンティークのペンダント・ヘッドを探したいと言い、
散歩も兼ねて市場を歩いていました。
その頃の僕の英語は、彼女が留学した後に、
彼女には内緒で、独学で学んでいた程度の拙いもので、
すでに日常生活での会話に苦労しない彼女に聞きながら
店主と交渉したり世間話しをしていたんです。
ある店の老婦人が彼女に
「あんた達はどこに住んでるの?
さっきから見てたけど二人ともいい笑顔してるわ」
そう言うと、店先に有ったブリキのバッジを僕に渡してくれました。
安っぽくて、表面の塗装が少し剥がれていて
所々ヘコんでいる小さいバッジだったんですが、
表面に書かれている "AND I LOVE HER" という文字を彼女に見せると、
「図星でしょ?」と僕の耳元で囁いて、
そのお婆さんに、彼女が笑いながら言いました。
「I know, Maybe I think so too」

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
これは別にどうってコトのないエピソードなんですが、
現在になって考えると、その後
二人の心が少し揺れることになるキッカケは
この時の出来事だったのかもしれません。
その日は、早朝から"Angel"という名の駅まで電車に乗って、
その近くで行われているガレージ・セールへと出掛けていました。
イギリス国内でも有名な蚤の市で、通りには溢れるほど店が出ています。
彼女はアンティークのペンダント・ヘッドを探したいと言い、
散歩も兼ねて市場を歩いていました。
その頃の僕の英語は、彼女が留学した後に、
彼女には内緒で、独学で学んでいた程度の拙いもので、
すでに日常生活での会話に苦労しない彼女に聞きながら
店主と交渉したり世間話しをしていたんです。
ある店の老婦人が彼女に
「あんた達はどこに住んでるの?
さっきから見てたけど二人ともいい笑顔してるわ」
そう言うと、店先に有ったブリキのバッジを僕に渡してくれました。
安っぽくて、表面の塗装が少し剥がれていて
所々ヘコんでいる小さいバッジだったんですが、
表面に書かれている "AND I LOVE HER" という文字を彼女に見せると、
「図星でしょ?」と僕の耳元で囁いて、
そのお婆さんに、彼女が笑いながら言いました。
「I know, Maybe I think so too」

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
お互いに、もう何の違和感もありませんでした。
街路樹の葉も落ちてしまって、グレイ色をした高い空の下で
僕と彼女は、何年も一緒に居た二人のように歩いていました。
少し冷たい晩秋の風も心地良く感じながら
ロンドンという街と、二人で過ごす時間を愉しんでいましたよ。
確かに僕は、まだ彼女に気持ちを残してはいたんだけど、
何故、お互いの気持ちが再びシンクロしたような感覚になって
別れた二人が、あんな時間を過ごせたのかは解らないんです。
多分僕は、ロンドンに来ているという事で心が躍らされていたからで。
彼女は、1年近くを独りで過ごしていたから、寂しさを感じていたのでしょうね。
それでも僕は十分でした。
栗色のショートにした髪も、細くしなやかな腰も、やわらかい声も。
その瞬間に、傍に居ることがただ嬉しかったのだと思います。
ポーランドやトルコからロンドンに来ている、彼女の友人達も一緒に、
テムズ川畔にある劇場に行った夜。
幕間の休憩時間、煙草を吸いにテラスへ出た時の事。
対岸にある建物の屋根辺りに、流れ星をモチーフにした大きなネオンが
灯っているのを見つけて、安っぽくも、どこかヨーロッパらしくて
二人でゲラゲラ笑ったのを覚えています。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
街路樹の葉も落ちてしまって、グレイ色をした高い空の下で
僕と彼女は、何年も一緒に居た二人のように歩いていました。
少し冷たい晩秋の風も心地良く感じながら
ロンドンという街と、二人で過ごす時間を愉しんでいましたよ。
確かに僕は、まだ彼女に気持ちを残してはいたんだけど、
何故、お互いの気持ちが再びシンクロしたような感覚になって
別れた二人が、あんな時間を過ごせたのかは解らないんです。
多分僕は、ロンドンに来ているという事で心が躍らされていたからで。
彼女は、1年近くを独りで過ごしていたから、寂しさを感じていたのでしょうね。
それでも僕は十分でした。
栗色のショートにした髪も、細くしなやかな腰も、やわらかい声も。
その瞬間に、傍に居ることがただ嬉しかったのだと思います。
ポーランドやトルコからロンドンに来ている、彼女の友人達も一緒に、
テムズ川畔にある劇場に行った夜。
幕間の休憩時間、煙草を吸いにテラスへ出た時の事。
対岸にある建物の屋根辺りに、流れ星をモチーフにした大きなネオンが
灯っているのを見つけて、安っぽくも、どこかヨーロッパらしくて
二人でゲラゲラ笑ったのを覚えています。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
ロンドンの彼女のアパートメント。
小さいキッチンで一緒に過ごした、あの時間は
現在になって考えると、夢だったんじゃないかと思うことがあります。
あの時ほど、愛しく、抱きしめたい、一緒に居たいと感じた事は、
彼女に対してもそれまで有りませんでした。
その時から3年前に、彼女と離れてからも
僕はずっと、その彼女に未練を残していて。
でもそれは知られたくないから、自分を偽るように虚勢だけで
苦い恋をしていました。
そんな自分が恥ずかしくて、偽っている自分が情けなくて。
街に出て人に会っても、一晩中騒いでも、心は埋められなくて
仕事と、新しく自分が求めることの全てに注力して気を紛らわせていました。
そんな3年間、僕は彼女からの電話をいつも待っていたように思います。
新しい恋も始まりましたが、大バカ者だった僕は
その頃に出会った彼女たちに、現在になって心から
お詫びしたい気持ちで一杯です。
心の中には、別れてしまった"彼女"がずっと残っていましたから、
当時も、そんな自分に罪悪感を感じて自己嫌悪になっていました。
情けない、本当に最低のオトコだったと思います。
そんな3年を過ごした後に、ロンドンの小さいキッチンで
その彼女と過ごす、こんな時間があるとは予期していませんでしたし、
僕の腕の中に身を預けて、窓の外を眺めながらコーヒーを飲んでいる
彼女の横顔が、こんなに愛しかったんだという事が少し意外でした。
何故なら、僕は、別れた彼女の"亡霊"にずっと恋をしていたんだと
この時になって気付いたからです。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
小さいキッチンで一緒に過ごした、あの時間は
現在になって考えると、夢だったんじゃないかと思うことがあります。
あの時ほど、愛しく、抱きしめたい、一緒に居たいと感じた事は、
彼女に対してもそれまで有りませんでした。
その時から3年前に、彼女と離れてからも
僕はずっと、その彼女に未練を残していて。
でもそれは知られたくないから、自分を偽るように虚勢だけで
苦い恋をしていました。
そんな自分が恥ずかしくて、偽っている自分が情けなくて。
街に出て人に会っても、一晩中騒いでも、心は埋められなくて
仕事と、新しく自分が求めることの全てに注力して気を紛らわせていました。
そんな3年間、僕は彼女からの電話をいつも待っていたように思います。
新しい恋も始まりましたが、大バカ者だった僕は
その頃に出会った彼女たちに、現在になって心から
お詫びしたい気持ちで一杯です。
心の中には、別れてしまった"彼女"がずっと残っていましたから、
当時も、そんな自分に罪悪感を感じて自己嫌悪になっていました。
情けない、本当に最低のオトコだったと思います。
そんな3年を過ごした後に、ロンドンの小さいキッチンで
その彼女と過ごす、こんな時間があるとは予期していませんでしたし、
僕の腕の中に身を預けて、窓の外を眺めながらコーヒーを飲んでいる
彼女の横顔が、こんなに愛しかったんだという事が少し意外でした。
何故なら、僕は、別れた彼女の"亡霊"にずっと恋をしていたんだと
この時になって気付いたからです。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
到着当初は、リバプールまでの国内旅行なども計画していたのですが、
ロンドンの街を時間をかけて楽しみたいという、お互いの新たな希望から、
"次回に延期"しよう、ということになっていたんです。
昼は、アンティーク・マーケットやセレクトショップを廻ったり、
街並みを写真に撮りながら散歩をして、公園でリスにビスケットを与えたり。
予定を建てない、贅沢な時間を過ごしていたように思います。
夕方頃にアパートへ帰る途中には、スーパーに寄って食材を買い、
一緒に料理を作って、ゆっくり食事をしたりね。
ロニー・スコッツなどのジャズクラブや劇場、ライブハウスなどで夜を楽しみ、
赤いバス"ダブル・デッカー"に乗って帰ると、音楽を聴きながら語り合い、
1つのベッドで抱き合って眠りました。
朝になると、小さいキッチンで簡単な食事を作り、
寄り添って、窓の外の景色を眺めながらコーヒーを飲み
「今日はどこ行こうか?」などと話していたのを覚えています。
二人で、こんなふうに過ごす時間が、
これほど暖かく、幸せなものだという事を忘れていたね。と
お互いの体温が感じられる距離で確認しながら、
一日の予定を建てていました。
3年前に止まった時計が、再び動き出そうとしていたのかもしれません。
窓の外は、薄く霧のかかるグレイ色をした秋の空が広がり、
レンガが所々黒く煤けている煙突の向こうで
鉄道の警笛が時々聞こえていたのを覚えています。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
ロンドンの街を時間をかけて楽しみたいという、お互いの新たな希望から、
"次回に延期"しよう、ということになっていたんです。
昼は、アンティーク・マーケットやセレクトショップを廻ったり、
街並みを写真に撮りながら散歩をして、公園でリスにビスケットを与えたり。
予定を建てない、贅沢な時間を過ごしていたように思います。
夕方頃にアパートへ帰る途中には、スーパーに寄って食材を買い、
一緒に料理を作って、ゆっくり食事をしたりね。
ロニー・スコッツなどのジャズクラブや劇場、ライブハウスなどで夜を楽しみ、
赤いバス"ダブル・デッカー"に乗って帰ると、音楽を聴きながら語り合い、
1つのベッドで抱き合って眠りました。
朝になると、小さいキッチンで簡単な食事を作り、
寄り添って、窓の外の景色を眺めながらコーヒーを飲み
「今日はどこ行こうか?」などと話していたのを覚えています。
二人で、こんなふうに過ごす時間が、
これほど暖かく、幸せなものだという事を忘れていたね。と
お互いの体温が感じられる距離で確認しながら、
一日の予定を建てていました。
3年前に止まった時計が、再び動き出そうとしていたのかもしれません。
窓の外は、薄く霧のかかるグレイ色をした秋の空が広がり、
レンガが所々黒く煤けている煙突の向こうで
鉄道の警笛が時々聞こえていたのを覚えています。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
もう10年以上前の事ですが、あの頃の自分に起きた事を
出来る限り正確に、「一度思い返してみたい」と長い間考えていたので、
今回、当時の事を書きながら、記憶を辿ることが面白いです。
いろんな事を忘れてしまって、きっと断片的にしか思い出せないかもな。と
当初は考えていたのですが、現地で買った地図を広げたり、
よく飲んでいたジンの香りや、あの頃聴いていた曲なんかを流すと、
当時の光景が広がっていきますね。
彼女が住んでいるアパートメントは、ロンドンの中心地から
バスで約20分ほどの距離にある、閑静な住宅街の中にありました。
建物の3階部分が、彼女の使用している部屋になっていて、
白いドアの部屋が2つと、バスルーム、小さなキッチンが付いていました。
古い電気メーターにコインを一枚入れると、電気が使えるようになり
カチャと音をたてて戻ってくるそのコインを、再びメーターの上に
置いておくようなタイプの、時代を感じる部屋です。
ただ、白を基調とした壁やドア、家具なども綺麗で、
年代の割りには、快適で趣向ある"いい部屋"でした。
昼も近くなり、空腹だった僕達は、
「近くのスーパーに買出しに行こう」と、すぐに外出。
カムデン・タウンでランチを食べ、 Sainsbury's というスーパーで
食材などを買い込み、一度アパートに戻ってから
再び、ロンドン中心地に出掛けました。
レスター・スクェア近くにある、初日と同じカフェでコーヒーを飲み、
ミュージカルのチケットを予約に、劇場に向かっていたときのこと。
いつのまにか、手を繋いで歩いていると、
「なんだか、ロンドンでこうして一緒に歩いてるなんて信じられへんね」
「手繋いでるだけでも、私達の今までを考えたら不思議ね」
彼女が微笑みながら言いました。
僕は「そうか?」と、あくまでそっけない振りをしていましたが、
急に照れくさく、嬉しくなり。
表情を崩さないように、遠くを見ていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
出来る限り正確に、「一度思い返してみたい」と長い間考えていたので、
今回、当時の事を書きながら、記憶を辿ることが面白いです。
いろんな事を忘れてしまって、きっと断片的にしか思い出せないかもな。と
当初は考えていたのですが、現地で買った地図を広げたり、
よく飲んでいたジンの香りや、あの頃聴いていた曲なんかを流すと、
当時の光景が広がっていきますね。
彼女が住んでいるアパートメントは、ロンドンの中心地から
バスで約20分ほどの距離にある、閑静な住宅街の中にありました。
建物の3階部分が、彼女の使用している部屋になっていて、
白いドアの部屋が2つと、バスルーム、小さなキッチンが付いていました。
古い電気メーターにコインを一枚入れると、電気が使えるようになり
カチャと音をたてて戻ってくるそのコインを、再びメーターの上に
置いておくようなタイプの、時代を感じる部屋です。
ただ、白を基調とした壁やドア、家具なども綺麗で、
年代の割りには、快適で趣向ある"いい部屋"でした。
昼も近くなり、空腹だった僕達は、
「近くのスーパーに買出しに行こう」と、すぐに外出。
カムデン・タウンでランチを食べ、 Sainsbury's というスーパーで
食材などを買い込み、一度アパートに戻ってから
再び、ロンドン中心地に出掛けました。
レスター・スクェア近くにある、初日と同じカフェでコーヒーを飲み、
ミュージカルのチケットを予約に、劇場に向かっていたときのこと。
いつのまにか、手を繋いで歩いていると、
「なんだか、ロンドンでこうして一緒に歩いてるなんて信じられへんね」
「手繋いでるだけでも、私達の今までを考えたら不思議ね」
彼女が微笑みながら言いました。
僕は「そうか?」と、あくまでそっけない振りをしていましたが、
急に照れくさく、嬉しくなり。
表情を崩さないように、遠くを見ていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
別れた日から3年の間に、お互いに起きた出来事などを
改めて話し合ったのは初めての事でした。
ですが、まだ彼女に思いを残していた僕は
自分の事は、全てまで話せなかったんです。
3日目の朝、泊まっていたB&Bをチェックアウトして
それ以降は、彼女が住むアパートメントに移ることになりました。
実はロンドンに来る以前、「ウチに泊まれば?」と彼女は言っていたのですが、
その時僕は、「そりゃちょっとマズイな」と返事し、
彼女に宿泊施設の予約を頼んだんです。
何故なら僕は、彼女に未練が有りましたから。
やはり、マズイと考えたんでしょうね。
何がマズかったのか?
多分、彼女は解っていたはずです。
それなのに、一晩、様々な事を話し合ったことで、
二人の距離が縮まったと感じたのか、それとも
お互い"また一緒に居る事"が自然だと考えたのか。
朝になると、まるで当たり前の様にスーツケースを運び出して
一緒にバスに乗り、彼女の住む街へと向かいました。
幼い頃に絵本で見て、何度も絵に描いたことのある
赤くて古いタイプの、ロンドンの2階建てバス "ダブル・デッカー" に、
そんな状況で乗っている自分を、不思議に感じていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
改めて話し合ったのは初めての事でした。
ですが、まだ彼女に思いを残していた僕は
自分の事は、全てまで話せなかったんです。
3日目の朝、泊まっていたB&Bをチェックアウトして
それ以降は、彼女が住むアパートメントに移ることになりました。
実はロンドンに来る以前、「ウチに泊まれば?」と彼女は言っていたのですが、
その時僕は、「そりゃちょっとマズイな」と返事し、
彼女に宿泊施設の予約を頼んだんです。
何故なら僕は、彼女に未練が有りましたから。
やはり、マズイと考えたんでしょうね。
何がマズかったのか?
多分、彼女は解っていたはずです。
それなのに、一晩、様々な事を話し合ったことで、
二人の距離が縮まったと感じたのか、それとも
お互い"また一緒に居る事"が自然だと考えたのか。
朝になると、まるで当たり前の様にスーツケースを運び出して
一緒にバスに乗り、彼女の住む街へと向かいました。
幼い頃に絵本で見て、何度も絵に描いたことのある
赤くて古いタイプの、ロンドンの2階建てバス "ダブル・デッカー" に、
そんな状況で乗っている自分を、不思議に感じていました。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
朝、まだ薄暗い時間に目が覚めたので、
10月の肌寒いロンドン市内を、カメラを持って散歩してみました。
方角も怪しく、道順と風景だけを記憶しながら歩いていると
"ハイドパーク"まで来ていました。
ベンチに座り、これから彼女と過ごせる事を考えてみると、
到着した前日の高揚感は、まだ続いていて
僕はただ子供のように、多分かなり浮かれていましたね。
「まずは一緒に行きたい」と、彼女のお気に入りの場所をいくつか巡りました。
東ヨーロッパ風の怪しげなカフェ、アンティークのビーズを揃えた雑貨屋、
ポールスミスの本店などがある、コベントリー・ガーデン。
ピカデリー・サーカス近くにあるチャイニーズ・レストランの飲茶でランチを食べ、
オックスフォードを歩き、ビッグベンを見て改めて歴史を感じ、
鳩の群れが集まるテムズ川の川岸を散歩して
タワーブリッジの下辺りまで来ると、ベンチに腰掛け
対岸を行く人々を眺めながら、他愛も無い話をしていました。
夜は宿の近くの、小さいトラットリアでゆっくりと食事をしたのですが、
店主がマーチン・スコセッシそっくりだったのを覚えています。
その夜、彼女は僕が宿泊している部屋に泊まりました。
ただ、インスタントコーヒーを飲みながら、
いろんな事を一晩中話していたんです。
現在のこと、過去のこと、将来のこと、仕事や友人のこと。
3年前の別れる日に、喫茶店で話したような内容でした。
「別れるかどうかを考える一週間に、お互い何を考えてたのか?」
という問いで、当時の彼女の気持ちを3年経って初めて知りました。
だけど僕は、自分が思っていた事を言わなかったんだ。
ずっと彼女を想ってたから、言えなかったんだと思います。
通り向こうの建物の部屋に飾られていた、ネオンライトが
ずっと点滅していたのを眺めながら話していたことを覚えています。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪
10月の肌寒いロンドン市内を、カメラを持って散歩してみました。
方角も怪しく、道順と風景だけを記憶しながら歩いていると
"ハイドパーク"まで来ていました。
ベンチに座り、これから彼女と過ごせる事を考えてみると、
到着した前日の高揚感は、まだ続いていて
僕はただ子供のように、多分かなり浮かれていましたね。
「まずは一緒に行きたい」と、彼女のお気に入りの場所をいくつか巡りました。
東ヨーロッパ風の怪しげなカフェ、アンティークのビーズを揃えた雑貨屋、
ポールスミスの本店などがある、コベントリー・ガーデン。
ピカデリー・サーカス近くにあるチャイニーズ・レストランの飲茶でランチを食べ、
オックスフォードを歩き、ビッグベンを見て改めて歴史を感じ、
鳩の群れが集まるテムズ川の川岸を散歩して
タワーブリッジの下辺りまで来ると、ベンチに腰掛け
対岸を行く人々を眺めながら、他愛も無い話をしていました。
夜は宿の近くの、小さいトラットリアでゆっくりと食事をしたのですが、
店主がマーチン・スコセッシそっくりだったのを覚えています。
その夜、彼女は僕が宿泊している部屋に泊まりました。
ただ、インスタントコーヒーを飲みながら、
いろんな事を一晩中話していたんです。
現在のこと、過去のこと、将来のこと、仕事や友人のこと。
3年前の別れる日に、喫茶店で話したような内容でした。
「別れるかどうかを考える一週間に、お互い何を考えてたのか?」
という問いで、当時の彼女の気持ちを3年経って初めて知りました。
だけど僕は、自分が思っていた事を言わなかったんだ。
ずっと彼女を想ってたから、言えなかったんだと思います。
通り向こうの建物の部屋に飾られていた、ネオンライトが
ずっと点滅していたのを眺めながら話していたことを覚えています。

ヒトサシユビ分の気持ちをください♪





















